高齢者は スーパーサイヤ人を 目指す。4

 

 

 

 

 

今日も先生と一緒に、 ピアノのレッスンです。

あー厭だなあ、 という顔は見せず。 一生懸命やっているフリを していました。

しかし、 先生と話しているうちに、 なんとなく燃えてきて、 一丁、ヤッタルカー

と言うような、 感じになりましたが、 それはまだピアノを弾く前で、 先生は準備運動をしなければいけないと言い、 前後に肩回しをやったり、 前へならえ、 のような格好をして

腕を前に出して、 手のひらを上に向け、 その手のひらを 先生は思いっきり下の方へ、向けました。

アイタタタ  なんじゃこりゃ、 拷問かいな。

今度は手のひらを下にして、 中国のキョンシーのような格好になり、 また、先生は私の手を取って、 下の方へ 曲げました。

アイタタタ  私が悪かったです。 白状します。 何もしていないし、知らないけど。

その運動が終わった後、 日本の妖怪のお岩さんのような、 うらめしや~の格好になりました。

先生は この運動はピアノを始める前にやった方がいいですよと言い、

私は何もしないほうが良いのでは、 ないかと 思いました。

次に、 手のひらを少し曲げて、 ピアノに向かって、 指だけ動かす運動をしました。

その次はやっと本番です。 お子様たちが使う本を 使って、 指使いを 教えて貰いましたが、 そこは親指、そこは 薬指 そこは小指 と指導され、

薬指だけは、 上に持ち上がりません。 なんでじゃ?  と思っても持ち上がらないものは、持ち上がりません。

釈然としない私に、 いっぱい練習すれば何とかなりますと、軽く言われ, 大阪の可愛いおばちゃん先生は、

いっぱい練習せないかんよ 解ったかい ワレ と言い、 また燃えました。

よし、チクショー ヤッタルぜ。

次に先生が準備した 曲は、 昔のアメリカ映画のテーマソングでした。

ゲッ  まさかこんなのやるの?  先生は来年の何月か分からないけど、コンクールに出ましょうと言い、 勝手にことを進めていて。  なんで?  と思っても。

ニコニコしている先生は 聞く耳を持ちません。  ドヒャー  これはえらいことになった。

こんな優しい顔をして、 こんな恐ろしいことを考えている先生は、 ひょっとしたらすごい怖い先生なのではないか?

そうこうしているうちに一時間はすぐたって、 レッスンは終わりました。 助かった。 よかった。

私はスタッフの一人に、 どうせバレるから、今言うが、 私は来年コンクールに出る。
その際。 絶対に応援に来てはならない。 社長命令だ。

隠れて応援に来ても無駄だ。 すぐわかる。

と、 応援禁止令を出しました。

花束もいらない。お菓子も要らない、 私がピアノを弾いている所を写真に撮るということは絶対考えるな。 と言いました。

スタッフは不承不承の顔をしておりました。

何しろ、うちのスタッフに、 私がピアノを弾いている 姿を見られてしまっては、 恥ずかしくて 生きていけません。

腹かっさばいて 死ぬか、舌をカミ切って死ぬか? どちらかです。

高齢者がピアノを弾くのは、 結構勇気が要ります。

人に ピアノを弾いて。いいところを 見せたい人と。 絶対見せたくない人がいます。 私は後者です。

一人でピアノを うまくなり、 自分のためにピアノを弾いて悦楽に浸るのです。

それがカッコいいというものだ。ぬふふふ。

飛べない豚はただの豚だ。  ピアノを弾けない親父はただの親父だ。

そして、 誰にも知られず、 ピアノの調律もするのだ。

私が調律をしたピアノでシブ~イ曲を弾くのだ。 誰にも聞かせない。

そうだ、 学校のピアノも調律しよう。 町立学校のピアノを 調律 なんちゃって。

次回をお楽しみに